「大麻の研究」という本があります。
昭和12年に発行された書籍で、大麻博物館はこの本を基礎に運営しているといっても過言ではありません。
旧仮名遣いで少し読みにくいのですが、我が国にとって大麻草がどのようなものであったかを知る、第一級資料と言えます。
中でも、冒頭の揮毫(きごう)は圧巻です。
明治天皇陛下のお妃様で、明治神宮の御祭神として知られる昭憲皇太后さま、当時の陸軍大将で栃木の英雄として知られる奈良武次閣下、後に第37代内閣総理大臣となる米内光政閣下、当時の農林大臣で競馬の「有馬記念」にその名を残す有馬賴寧閣下、と当時の重鎮の名が連なります。
栃木にとどまらず、国家をあげて「大麻の研究」に注力する様子が、冒頭の数ページだけで窺い知れます。
かつて、農業としての大麻栽培は、国家の存亡に直結する重要なものでした。
その事が、現在の大麻規制に繋がるもっとも大きな要因になっていまったのですが、それはまた別のお話で。